取組概要
乳幼児を連れた子育て当事者が、鑑賞体験に留まらないさまざまな音楽体験を通してリフレッシュしたり、子どもと楽しんだり、新しい出会いを得られるような機会を創出することを目的として全5 回にわたる多文化音楽イベントを行いました。いずれの回にも保育士資格を持つスタッフやプロのベビーシッターが立ち会うなど、子育て当事者が気軽に参加できる環境をつくりました。
第1弾「アラビアンダンスの世界」
ゲスト:ミーナ・サレー、Hirokö、石井紗和子
会 場:鴨江アートセンター 301
第2弾「2 台のマリンバ生演奏」
ゲスト:中治渚、市川真己
会 場:クリエート浜松 創造活動室、浜松市天竜壬生ホール リハーサル室
第3弾「みんなでラテン・カリビアンダンス!」
ゲスト:土橋令子
会 場:クリエート浜松 創造活動室、浜松市天竜壬生ホール リハーサル室
事業成果
各分野のプロである才能豊かなゲストアーティストを招聘し、子連れでも安心して参加できる温かい空気感のなか高いクオリティの内容を届けるイベントを実現することができました。普段あまり馴染みのないジャンルを扱うイベントだったにも関わらず、参加申し込みはすぐに満席になる回も多く、合計で131 名の参加があり、改めて子連れで参加できる音楽体験の需要の高さを感じました。子育て当事者自身がリフレッシュの時間を持ち心身ともに健康でいることは子どもたちに良い影響を与え、そうした様子が可視化されていくことは、他の子育て当事者や今後子どもを迎えることを考えている人々にとっても希望となると感じました。そうした点において、浜松市内の子どもを取り巻く環境の向上に微力ながら貢献できたと考えています。
今後の展開・展望
浜松を拠点に音楽活動をしている、あるいは浜松に縁のある人物をゲストアーティストとして招聘し、より浜松の人的資源を活かした企画にしていきたいです。また、企画者の関心や視点をゲストアーティストとたたかわせながらオリジナリティのある内容を創作し、企画者自身がアートマネジメントとしての役割をよりクリエイティブな形で果たしていきたいです。外国人の子育て世帯や、あまり音楽イベントにアクセスしない子育て当事者にも参加してもらえる企画にするために、すでに設けられている子育て当事者の集まりや幼稚園や保育園等の教育機関に協力をあおぎ、活動に組み込んでいただく可能性も模索していきます。また資金的な面では、参加費以外での資金調達方法や持続可能な運営方法を考えていきます。
浜松アーツ&クリエイション
事務局より
吉田さん自身が子育て当事者として必要と感じていることを事業に反映させることに挑戦しました。学生時代に他地域で文化事業に携わっていた経験を浜松で体現する予定でしたが、地域の事情、人的つながりの違いを痛感し、最初は苦労されている様子でした。回を重ねるごとに、時間配分やコンセプトに近づけるための内容などが工夫されていく様子が見て取れました。そこには、吉田さんのコメントにある「アーティストとたたかう」という言葉に思いが込められていると感じました。吉田さんとアーティストとのたたかいが、お互いの新たな気づきとなり、浜松のアートシーンの発展につながっていくと期待しています。(浜松A&C 中村)