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2021.12.18BLOG

音楽家のためのサバイバル講座 開催レポート

10月7日、10月20日、11月1日の全3回の日程で、セルフマネジメントやセルフプロデュースを学び、大学等の専門機関で得た技術や能力をどのように社会にアウトプットするのか、また、音楽家としてどのように生き抜いていくのかを学ぶ講座を開催しました。当日の様子をご紹介します。

 

 

第1回は、石田麻子さんに「音楽と生きる」ために必要となる演奏・指導・経営といった複数の視点から活動しキャリア形成を目指す、ポートフォリオキャリアの重要性をお話しいただきました。また、この先10年間を見つめ目的に向かい具体的目標を設定する、シナリオ・プランニングを参加者と共に考えていただいたり、ワークショップを通じて参加者へプロフィールの書き方、SNSの活用方法を個別にアドバイスをいただいたりと、非常に実践的な内容となりました。特に、自身の強みやできることを簡潔に13文字~14文字で表すことで、売り込むためのプロフィールに活用できるというお話は、表現活動をしている方ならどなたでも、今すぐ実践できる「見せ方」の1つではないでしょうか。

 

 

 

 

 

第2回は、荻原忠浩さんが統括プロデューサーを務める「広島ウインドオーケストラ」の歩みを紐解きながら、地域で活動する音楽家として重要である、地域の人々との関係構築や、その地域に適した客層のターゲット設定などをお話しいただきました。ゆかりある地域で長らく活動していく中、人と人とのつながりや縁を大切にしつつ、何をすべきかを常に考え活動し続けることで同じ志を持つ仲間や応援者を得てきたとのお話は、浜松で活動する方にもヒントとなる内容でした。さらに、荻原さんの「演奏を通じてファンを獲得するだけではなく『音楽を聴く人』を育てる、増やしていくことが今必要である」とのお言葉は、参加された方々の心に深く響いたようです。

 

 

 

 

 

第3回は、雲井雅人さんから、「音は音楽家の命」という信念のもと、音楽人生で実践してきた独特の練習方法や、ご自身の「音づくり」を主にお話しいただきました。サクソフォン奏者でありながら、常に既存の練習法にとらわれず、フルートや声楽のメソッドを取り入れた練習法の実演に参加者の関心が集まっていました。演奏技術のみならず、日々幅広い分野に対して興味を持って多方面から知識を学んでいくことで、演奏に活用できる思いがけない発見があるのかもしれません。講座終了後には雲井さんより「天才たちが書いた音楽を良い音で再現することを普段から考えていて、そのことをもって社会と繋がるしか自分にはできないと感じています。」というコメントもいただきました。

 

 

 

 

 

今回の講座では、「音楽家のためのサバイバル講座」と題打ち、音楽家としての「見せ方」「自己プロデュース」に関して、地域での応援者の獲得について、音楽家として社会へ伝えられることについて、講師の方々にお話しいただきました。各回の講座で取り扱った内容はいずれも、音楽活動だけでなく表現する方ならどなたでも参考になるものでした。ご参加いただけなかった方にもぜひ、この記事を通して少しでも今後の活動の参考としていただければ幸いです。浜松アーツ&クリエイションでは、今後も表現活動をされている方々の活動の指針やヒントを得られるような講座を開催していきます。個別の相談も常時受け付けていますので、お気軽にお尋ねください。