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2024.02.05BLOG

「アクト・アート・ストリート」レポート ライター:瀬口あやこ

自分の小説をアートのように展示してみたい。
そんなことをぼんやり思っていたとき、一通のメールが届きました。
偶然にも、浜松アーツ&クリエイション主催のイベント「アクト・アート・ストリート」に展示する作品を募集中というではありませんか。しかも絵や写真はもちろん、壁面に架けられる状態であればエッセイでも書でも応募可能とのこと。
これは千載一遇のチャンスと思い、かねてから「何かあったら協力しますよ」と言ってくれていた知り合いのイラストレーターさんに相談したところ挿絵を描いてもらえることに。
こうして「約140字で完結する超短編小説」と「イメージイラスト」を掛け合わせた展示作品が完成しました。

 

 

 

 

イベントが開催されたのは、浜松駅に隣接するアクトシティ2階と地下1階のACT PLAZA LOUNGE。アクトシティといえば、市のランドマークであるアクトタワーを中心に広がる、浜松市と民間の施設が一体となった複合施設です。浜松市民なら誰もが知っているものの、「オフィス街」という印象が強い同エリア。このイメージを払拭するため、施設内に作品を展示しアクトシティで立ち止まるきっかけづくりをするとともに、日常に溶け込むアートをより身近に感じ親しみを持ってほしい。イベントには、そんな狙いがあるとのことでした。


 

 

参加したのは、浜松市周辺を拠点に活動する11名のアーティストです。絵画、写真、詩、小説など、さまざまなジャンルの作品が会場に展示されました。訪れた人は常設されている椅子や机に座って、自由に作品を観覧できます。
会期中の土日には「交流会」も開催。事前に申し込みをしたアーティストが在廊し、作品の紹介や、ポストカード・ステッカーをはじめとする自作品の販売、ライブペイントなどが行われました。


 


 

 

 

普段ACT PLAZA LOUNGEは単独の利用者が多いことから、なかなか作品に目が向かない雰囲気もありました。一方で、好きなアーティストの作品が見たいと遠方から駆けつけた方がいたり、自習に来ていた方が席を立ち作品を見て回ったりアーティストにこだわりを聞いたりする場面も。「どれもすごい作品」「展示されているもの以外も気になったので、アーティストのホームページを見てみたい」といった声が上がっていました。実際に、会場に来た方からオンラインで注文が入ったというアーティストもいたようです。


 

 

また、アーティスト同士も積極的にコミュニケーションを楽しみました。この道何十年という大ベテランから、私のような駆け出しまで経歴はさまざまでしたが、作品づくりという共通点で話が盛り上がり、交流会中の会場は常に笑い声であふれていました。このイベントは、参加アーティストの「横のつながりをつくりたい」「今後の活動の足掛かりにしたい」という想いも満たすものだったと感じています。


 


 

 

私自身も、今回知り合った方の個展にお邪魔したり、イベント後も出展者どうしで定期的に連絡を取り合ったりしています。さらに、挿絵を描いてくれたイラストレーターさんと正式にコラボすることも決まり、5月には一緒にイベントに参加することになりました。新たな一歩を踏み出すきっかけを与えてくれたアクト・アート・ストリートに感謝の気持ちでいっぱいです。
今後も浜松アーツ&クリエイションは同様の展示会を各地で開催していく予定とのこと。訪れた人はもちろん、アーティストにとっても意義のある場を提供することを念頭に、これからも企画などを進めるそうです。私もまた同様のイベントがあればぜひ参加したいと思います。そして、この記事を読んでおられる皆様にも、作品づくりを通してどこかでお会いできたらうれしいです!

 


瀬口あやこ(あやこあにぃ)

元測量士の作家&インタビューライター。X(旧Twitter)の1投稿分で完結する「140字小説」やエッセイを書いています。ライターとしては、クリエイターや企業の社員インタビュー、旅行・動物保護関係記事を執筆。アート活動に悩んだ際、浜松アーツ&クリエイションの相談窓口を利用したことで浜松アートライブラリに登録、アクト・アート・ストリートへ参加。今後はイラストレーター・踊場リエと創作サークル「アトリエけだま」を結成し、文学フリマ東京などに出展予定です。