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2024.01.29BLOG

「ビルドアップ講座④」レポート ライター:はまかぜポートレイト

普段から興味のあるアートイベントに参加することが多く、今回も講座の内容に惹かれて参加しました。インタビュー記事制作が文化芸術活動に役立つ可能性があるのか、考えるためのヒントになればと思いました。

 

「生きている広報と記録」
日時:2024年1月28日(日)
場所:アクトシティ浜松 研修交流センター62研修交流室

 

広報は「私」と「あなた」を具体的に考え、繋がっていく手段


活動をメインにしていると、どうしても後手に回ってしまう広報活動。日々やることだけで精一杯のなか、どのように取り組んでいったらいいのか。第4回の講師は、アートメディエーター/Tiarart.com 代表の冠 那菜奈さん、東京アートポイント計画など多数のプロジェクトを伴走しながら編集する川村 庸子さん。芸術活動における広報と記録の重要性とその具体的な方法について語られた。

 

清宮さんは、自身が関わるイベント『エレクトロニコス・ファンタスティコス!』を例に、飾らない動画投稿と同調する人たちによる自然な活動の広がりの事例を挙げる。

 

冠さんは、大学でアートマネジメントを学んだ後、フリーで活動する「アートメディエーター(=性質の違う人や物事を繋ぎ合わせて様々なヒト・モノ・コトが集まる場所をつくる人)」に。「広報とは多くの人々との関係を結んでいくこと」だとし、より良い関係を作っていくためには、自分たちの作品や活動の価値や強みを明らかにすることに加え、伝えたい相手の興味・関心・経験・常識を知って、重なる部分を意識して届けることが大切だと言う。

 

川村さんからは、プロジェクトと「伴走しながら編集する」ことについてお話があった。様々なプロジェクトに編集者として関わり、どんな広報が効果的かを考えていく。直接関わるからこそ見えてくる本質的な魅力やニーズに合わせ、時には予定していなかった方法をとることもあるという。また、プロジェクトのメンバーとは普段から積極的におもしろいと思ったことを伝え合い、対等な関係を築くことに配慮しているそう。組織の中で、日頃から記録をし、発信する意識を育てていくことの大切さを語った。

 

ディスカッションでは、膨大な作業にどう向き合っていくか、方針をどう固めていくかなど、より実践的な内容が話題に。「自分の周りにいる人、やりたいこと、できそうなことを書き出してみる」「今の射程範囲にないものを割り切ることも必要」「伝えたい人がどういうタイミングで情報にタッチするのか分析する」「数名でいいので外部に仲間をつくって情報共有をする」…あらゆる活動に生かせそうな具体的な方法が次々と紹介され、参加者もメモを取る手が止まらない様子だった。

 

 

 

質問や企画相談では、実際の活動における具体的な話題も。現場で広報活動を行ってきた講師だからこそ、細かな実情まで抑えたアドバイスを提示してくれる。

 

 

 

 

 

 

10年後も見据え、継続した活動を行っていくにはどうしたらいいかという課題を抱えた団体からの参加者は、
「まずは自分の足元とか歴史土地のことを知って、深めることが大切だと教えていただきました。ただイベントをやればいいということではない。身近なところから町を巻き込んで、続けること。これから何をしなければいけないのか、見えてきました。」と学びを振り返った。

 

次回はいよいよ、ブラシュアップした企画発表となる。

 

はまかぜポートレイト

知り合いの作家や職人、個人でお店を開いている方などにお話を聞き、インタビュー記事を制作しています。肖像画(ポートレート)を描くように「人」に焦点をあてて発信することで魅力を伝えられないかと思い、立ち上げました。記事は、Web上のメディアプラットフォームで公開しています。取材するなかで価値観を共有いただき、「こんなことも一緒にできそう」と活動が広がっていくこともあり、楽しさを感じています。細く長く、続けて行きたいです。