PROJECT
事業・支援内容

浜松へちま・ミライ

夢みるクジラは、120年後のそらを泳いでいた - 浜松へちまでつなぐプロジェクト -

市民活動団体等が行う創造事業支援

夢みるクジラは、120年後のそらを泳いでいた – 浜松へちまでつなぐプロジェクト –

取組概要

浜松のへちまは約120年前、パリ万博で「へちまのゾウ」を展示して人気を博し、産業としての歩みを始めました。浜松のへちま産業の歴史は、浜松に住む私たち全員の宝のひとつです。
浜松のへちまを多くの方に知っていただく機会となるように、「へちま年表」と貴重な当時の写真の展示で浜松のへちま産業の歴史を振り返り、歴史のオマージュとして、未来の自然環境の豊かさを願う気持ちを込めて「へちまのクジラ」のオブジェを空中に飾る企画展を、2024年12月、浜松市鴨江アートセンターで3日間開催しました。
会期中に開催したギャラリートークでは、へちま産業の興りから最盛期の様子などへちま産業の歴史を振り返り、これからの展望にまで話が膨らみました。
また、会場内には、クジラ制作に関わったり、へちまの草木染め体験をしたり、2024年に浜松の小中学校でへちま栽培から活用まで取り組んだ事例を見ていただいたりと、来場者の方々が、これからへちまと関わりやすい参考となる事例を紹介するコーナーも設けました。

夢みるクジラは、120年後のそらを泳いでいた – 浜松へちまでつなぐプロジェクト –

事業成果

企画展には、教育関係の方やご家族皆さんで、と専門分野や年齢などがかたよることなく、幅広い層の方々、通算で304名の皆さんにご来場いただきました。
へちまを通じて環境や歴史を伝えることができることがわかり、へちま栽培に取り組みたいと、学校などの関係者の方々から声をかけていただいたり、新聞やテレビのニュースでも取り上げていただいたことがきっかけで、かつて浜松のへちま産業が栄えていた頃を覚えているという方々が足を運んでくださり、「仲買いという制度について」「へちまの種も買い取ってもらえた」など、当事者ならではの貴重な情報を拾い上げることができました。
へちま産業を創った織田利三郎という人物や、へちま産業の歴史、そして環境のためにへちまを栽培して使うという個人でできる行動がある、という様々なメッセージが伝わり、多くの方々に、浜松市の多様な魅力の一つとして「へちま」があると、知っていただける機会となったと考えています。

夢みるクジラは、120年後のそらを泳いでいた – 浜松へちまでつなぐプロジェクト –

今後の展開・展望

この企画展を開催するにあたり制作した「へちま年表」は、歴史背景とへちまの関連性も知る教材として役立つため、「はままつ人づくりネットワーク」に登録して、より多くの学校で「へちま」に取り組んでもらえる環境を整えました。
へちまのクジラやへちまの装飾を飾りたい、という声をいただき、今後、制作に関わっていただいた皆さまの名前とともに、「へちまのクジラ」が「旅」します。名付けて「旅するへちまのクジラ」。事業紹介のリーフレットも配布して、企画展では出会えなかったより多くの皆さまに、「浜松のへちま」を知っていただくことにつながればと考えています。

浜松アーツ&クリエイション
事務局より

代表の五明さんは、浜松のへちま産業を次世代につなげたいと本事業を開催しました。かつては世界一の品質を誇った浜松のへちま産業。その事実を知る浜松市民はどれぐらいいるのでしょうか。そんな「浜松のへちま」を、今回、へちまで制作したクジラの展示やギャラリートーク、草木染め体験等で、実際に見て、聞いて、触れて、知る機会となったことは大きな成果だと言えます。これからも「浜松=へちま」という認識が多くの市民に広がっていくことを今から楽しみにしています。(浜松A&C 中家)