浜松で育った技術に親しもう
取組概要
遠州地域で盛んな自動車産業に支えられた高度な金属加工技術を市民に親しみやすく紹介するために2つのイベントを催しました。
①用意したチタン板を参加者がハンマーで成形し、陽極酸化という現象で着色を施すことで鱗がキラキラと光る魚を模したルアーを制作するワーク
ショップを浜名湖アート・クラフトフェアにおいて実施しました。
②世界で唯一、断面が三角形の鋼管を曲げることのできる浜松の企業から協力を受け、これを利用した家具をデザイン・設計・制作し、展覧会とし
てori-ori gallery にて発表。会期中には建築史家の西山雄大氏と金属加工業に従事する山田尚氏と横地の3名でギャラリートークを行いました。
事業成果
ルアー制作ワークショップでは2日間の会期中、約100組の家族連れなど175 名の参加があり、会場の様子やアンケートの結果から、ハンマーを使っ
て形を整えたことや、陽極酸化でチタン板の色が変化する様子について、楽しさや興味を抱くような好意的な評価が多くみられました。
家具製作では机1台、イス2脚、スツール3脚を制作したが、これは浜松にしかない加工技術を家具に応用した初めての例となった。DMやSNSで
の告知のほか、静岡新聞で展覧会が取り上げられたこともあり、展覧会芳名者数は83名、浜松市内外から工業デザイナーや建築家、金属加工会社
関係者をはじめ大手自動車メーカー関係者や医療関係者、飲食関係者、ファッションデザイナー、といった幅広い分野の人が来場した。ギャラリートークには約30名が来場、登壇者は色や形を決定する動機や技術的な特色について語り、来場者からは製品として見た今回の家具についての課題や、その解決案といった前向きな意見を頂戴しました。
今後の展開・展望
今年度の成果から、浜松のもつ優れた技術をワークショップや家具などの身近な日用品としてより身近により魅力的に感じられる取り組みを、アンケートやSNSを通してより多くの市民に向けて発信することで、関心を持ってもらえる人を増やし、協力者を得ていきたいです。
浜松アーツ&クリエイション
事務局より
浜松の自動車産業の技術をアーティスト横地敬の視点で家具に応用した事業です。最終的にはパイプ椅子と背もたれ付きの椅子が完成し、三角パイプの曲げ技術やアーティストのこだわりが細部にまで見られる作品となりました。9月にはワークショップを実施し、子どもから大人に金属加工の魅力を伝えました。浜松の技術が新しいかたちで発信され、人々の注目が集まる事業でした。技術が多分野と結びつくことで、新しい価値の創造につながるのではないでしょうか。(浜松A&C 矢川)